降雪

しがない受験生が日記と小説を時々書いています

第二十七話

 少年は驚いて「どうしたんですか」と聞くと、ヒドウが早口になりながら答えた。
「ウチらモラを集めているんです、本当に木の鍵がここに……!?」
 それを聞いた少年は睨むような顔をして、
「あなた達何者ですか!?」
 少年の顔にひるんでしまったヒドウは小さな声で「へ……?」という間抜けな声を出す。
 スノフォが口を開いた。
「まあさ、ここに居ると危ないから向こうの町で話聞いてもらえないかな?」
「……分かりました」
 少年は不満そうな、威嚇している顔で言った。
 ヒドウが小さな声でスノフォに問う。
「木の鍵はどうするの?」
「……また後で取りに来たらいい。私達がずっとここにいたらさっきの奴がこっちに来るかもしれないし、他のモンスターも居ると思うから」
「あ……そっか、分かった」

 スノフォが人の姿に変わると少年は驚いた顔をする。が、さっきと同じ顔に戻った。
 三人がそれぞれ自分の足で歩いている時、『モラを集めている人は“裏切り者”と思われる』とヒドウは思い出した。
 ゲンとギラを繋ぐ、扉を創った人が造ったモラという名の鍵、その力を以て扉を壊す。
 ゲンで様づけしている人だっている、『ナユ』と呼ばれる人。
 最初ヒドウが住んでいた世界のギラでは誰も知らない歴史上の人。
 その人が残した物を奪おうなんて考える人は、“扉を創ったナユの、ゲンの裏切り者”と見られてもおかしくなかった。
 少年があんな顔をしたのは、そんな考えを持つ世界の一人だからだと理解出来た。

「こんなにも広いんだ……」
 ヒドウがヤーギャという町に着いて言った、第一声の言葉。
 大都会という言葉がヒドウとスノフォの頭に浮かぶ。
「ここはゲンで一番有名で、面積が広くて人口も多いんです」と少年が言い、続けて
「あそこの公園でいいですか?」と指で指し示してヒドウとスノフォに聞いた。
 聞かれた二人は少年が指した左の方向に顔を向けると、
中央に大きな噴水がある公園が見えた。
 少年が歩いて、木でできた屋根と机付きのベンチに座る。
 ヒドウとスノフォは向かい側のベンチに座った。
「……じゃあ、説明してもらってもいいですか?」
 少年がこう言うと、スノフォが一呼吸してから今までのことを一気に話して、
「まあ信じてもらえないかもしれないけど」と付け加えた。
 少年は重く口を閉じている。
 まあ無理もないか、とヒドウとスノフォは思った。
 スノフォはそんなことを思いながら、ヒドウにこう言いながら立ち上がった。
「ヒドウ、戻る? 木の鍵を取りに」
「いや、もう暗いから危ないんじゃない?」
 スノフォはヒドウにそう言われて空を見上げた。
 青黒い空に星が三、四個光っている。そのことにヒドウはもう気づいていた。
 暗闇を怖がるヒドウは林や森となると、余計に怖がる。
 スノフォがそんなヒドウを見ると、ヒドウとスノフォの頭に今度は“野宿”という言葉が浮かんで二人は不安になった。

 少年が口を開いた。
「……宿、泊まりますか?」
 ヒドウとスノフォは意味が分からなくて「え?」と聞き返して、
スノフォは「泊まれるんだったら泊まりたいけど」と付け加えた。
 それを聞いた少年は、
「一緒に泊まりますか? もしあなた達にお金が無いのなら僕が払います」
 スノフォが目を輝かせて「いいの!?」と聞くと、「はい」という返事が返ってきた。

「話したいことがあります」

≪ 『リルちゃん』ホーム第二十六話 ≫

Comment

コメントの投稿

 
管理人にのみ表示する
 

Track Back

TB URL

Home

2ヶ月間の更新履歴

10月の更新履歴


9月の更新履歴

過去の記事を修正するときがあるので
時々目通しお願いします。

FC2ブログランキング


ブログランキング参加中です。
1日1回、上のバナーを
クリックしてもらえると幸いですw
(別窓で開きます)

小説の目次

リンク

《ムコ多糖症》 ドダドゥドさんより

= 願いが届くまでバトンで繋ごう!! =

「ムコ多糖症」は、新生児約50000人に
1人の割合 で発症する希少小児難病です。
遺伝子の異常により、
体の中の代謝物質「ムコ多糖」を
分解する酵素がないために、
「ムコ多糖」が体中に溜ま っていくことで、
様々な障害を引き起こし、その多くが
10歳〜15歳で亡くなっています。
欧米では、
3種類の薬が承認、使用されていますが、
日本では1種類しか
承認されていない状況が続いています。

現在、生死に関わる問題のため、
厚生労働省はじめ関係
各所に早期実現の要望書が
次々と出されています。
(情報:ムコネットより抜粋 http://www.muconet.jp/index.html

私達にできること。
それは、ブログの日記でバトンをまわし
多くの人々に知っていただき、厚生労働省はじめ
関係各所を動かすムーブメントを作ること。
それにより、
患者さんの治療が今まで以上にできるようになり
彼らが、もっと多くの、
嬉しい、楽しい、大好きなことが体験
できるようになることを願って・・・。

みなさん、ご協力宜しくお願いします。

FC2カウンター

ブログ内検索

プロフィール

リルボ

Author:リルボ
性別:♀ 年齢:14歳
学年:中3 血液型:O型
誕生日:12月29日(山羊座)
部活:元ソフトテニス部
総合体育大会が終わって引退しました
生息地:関東のどこか
出身地:中部地方の関西寄り
特徴等:上がり性、花粉症、
人と乗り物に酔う、妄想好き、
たとえ暑くても日光に当たると眠たくなる時があるetc.

一言:だらだら食い最高!

By FC2ブログ