第三十四話
リヴィはノタのガードマンに言い終えた後、自分が着ている服の長袖の中で一丁の銃を腕の上ですべらせる。左手の手の平に出てきた銃を、構えた。右手にも銃を構えながら。
「もしもの時の為に隠しておこうと思ったけど、隠すことはやめました。あなたがこれに、身に覚えがあるかと思って」
「……俺に、本当のことを言ってほしい?」
「出来れば。そうじゃないと、こっちが誤解したままになるので」
ガードマンは笑みを見せて答えを言った。
「身に覚えはあるよ」
「やっぱり」
リヴィは笑みを見せてそう言った。
リヴィの後ろに居るイニが呟く。
「やっぱり似てますね」
自分の声が、リヴィに聞こえていたかはイニには分からなかった。が、それを合図にするようにリヴィが発砲した。二発。
ノタはその音に気付いても、自分のガードマンを見なかった。
ノタは発砲音を聞いてすぐ、短剣を握り直した。
ヒドウとスノフォは発砲音がした時、リヴィ達を見る為に首を回した。
「あら、余所見していていいのかしら?」
「あ……」
ノタの冷たい短剣の刃が、自分の首に当たっていたヒドウは小さい声を出すことしか出来なかった。ノタの方向に振り返ろうとしても首が回らない。
スノフォが口を開く。
「もし、私が手を出したらどうします?」
「それは分かっているんじゃないかしら」
微笑していたノタの顔が真顔に変わった。その顔でヒドウに質問する。
「降参して雷の鍵を諦める? そうした方がいいと思うけど。どうする?」
ヒドウはノタから視線をそらして、スノフォにその視線を向けた。
リヴィが両手から一発ずつ発砲した時、一発はガードマンの銃に当たった。もう一発は壁に当たった。ガードマンの右手から銃が落ちる。
「当てるつもりはあった?」
「一発だけ。その銃に」
「本当?」
「本当ですよ」
ガードマンは落ちた銃を拾う為に腰を曲げながら、
「本当だったら命中率落ちてないね、前と比べて」
「褒め言葉として有難く受け取っておきます」
また一発、リヴィが発砲した。
ヒドウの目の前で血が飛び散った。ノタの手から短剣が床へ落ちた音がした。その音がしてから、ヒドウは驚いているノタから離れることが出来た。スノフォの近くへ駆け寄ってから、リヴィ達を再び見て震える声で謝る。
「ごめ、ごめん!」
「無事で良かったけどな、今度からは気を付けろよ?」
「……はい」
ヒドウが小さい返事をしてから、リヴィは続けて独り言を言うようにノタへ、言葉を向ける。
「本当はその短剣に当てるつもりだったんですけどね。少しずれて手に当たってしまいました。すいません」
「……そう、長い距離だと命中率は落ちるのかしら?」
「そうですね、やっぱり」
ノタは改めて自分の手を見た。短剣を握っていた右手の甲から血が出ている。
「……どうしようかしら? 右手が使えなくても左手は使えるし、魔法だって使える」
「どうします? 右手を撃たれたぐらいで、俺達にあの鍵を譲るか譲らないか」
リヴィがそう質問すると、一つの発砲音が部屋に響いた。
「私のことを忘れていない、よね?」
リヴィは自分の長袖を見ると、小さい穴が開いていた。
ノタのガードマンが発砲した銃弾は、リヴィの長袖を貫通して壁に当たっていた。
「体に当たらなくて良かったです。最初から腕すれすれに撃つ、つもりでしたか?」
「そうだよ」
「本当だったらあなたも相変わらず、命中率落ちていないですね」
「どうも」
ノタのガードマンはそう答えると、続けて小さくははっと笑った。
「どうしてほしい、二人のお嬢さん?」
「雷の鍵を貰う許可が欲しいです」
苦痛でしゃがんでいたノタが、二人を見上げながら質問した答えにスノフォは即答した。
「あはっ……そろそろ、あなたにかけた魔法が解除されるかもね」
「そうだといいですね」
「そうね」
ノタは相槌を打ってから、ヒドウを見て言う。
「あなたは剣を持っても、人を刺す勇気は無いのね」
「……」
ヒドウは床に向けていた剣の刃をノタに向けた。
「……自分が生まれた場所は、人殺しは犯罪なんです」
「へぇ、でもここら辺りだって犯罪になって警察に捕まるわ。正当防衛なら無実だけど」
「ウチが生まれた場所はどんな理由でも有罪です。大きな怪我をさせただけでも捕まります」
「だから剣を持っても使えないのね。モンスター相手、だったら剣を使える?」
「……多分」
「そう、モンスター相手なら警察に捕まらないから安心しなさい。で、剣を私に向けているあなたは私を刺せないのね? 血を見るのが怖くて」
ヒドウは笑った。
「もしもの時の為に隠しておこうと思ったけど、隠すことはやめました。あなたがこれに、身に覚えがあるかと思って」
「……俺に、本当のことを言ってほしい?」
「出来れば。そうじゃないと、こっちが誤解したままになるので」
ガードマンは笑みを見せて答えを言った。
「身に覚えはあるよ」
「やっぱり」
リヴィは笑みを見せてそう言った。
リヴィの後ろに居るイニが呟く。
「やっぱり似てますね」
自分の声が、リヴィに聞こえていたかはイニには分からなかった。が、それを合図にするようにリヴィが発砲した。二発。
ノタはその音に気付いても、自分のガードマンを見なかった。
ノタは発砲音を聞いてすぐ、短剣を握り直した。
ヒドウとスノフォは発砲音がした時、リヴィ達を見る為に首を回した。
「あら、余所見していていいのかしら?」
「あ……」
ノタの冷たい短剣の刃が、自分の首に当たっていたヒドウは小さい声を出すことしか出来なかった。ノタの方向に振り返ろうとしても首が回らない。
スノフォが口を開く。
「もし、私が手を出したらどうします?」
「それは分かっているんじゃないかしら」
微笑していたノタの顔が真顔に変わった。その顔でヒドウに質問する。
「降参して雷の鍵を諦める? そうした方がいいと思うけど。どうする?」
ヒドウはノタから視線をそらして、スノフォにその視線を向けた。
リヴィが両手から一発ずつ発砲した時、一発はガードマンの銃に当たった。もう一発は壁に当たった。ガードマンの右手から銃が落ちる。
「当てるつもりはあった?」
「一発だけ。その銃に」
「本当?」
「本当ですよ」
ガードマンは落ちた銃を拾う為に腰を曲げながら、
「本当だったら命中率落ちてないね、前と比べて」
「褒め言葉として有難く受け取っておきます」
また一発、リヴィが発砲した。
ヒドウの目の前で血が飛び散った。ノタの手から短剣が床へ落ちた音がした。その音がしてから、ヒドウは驚いているノタから離れることが出来た。スノフォの近くへ駆け寄ってから、リヴィ達を再び見て震える声で謝る。
「ごめ、ごめん!」
「無事で良かったけどな、今度からは気を付けろよ?」
「……はい」
ヒドウが小さい返事をしてから、リヴィは続けて独り言を言うようにノタへ、言葉を向ける。
「本当はその短剣に当てるつもりだったんですけどね。少しずれて手に当たってしまいました。すいません」
「……そう、長い距離だと命中率は落ちるのかしら?」
「そうですね、やっぱり」
ノタは改めて自分の手を見た。短剣を握っていた右手の甲から血が出ている。
「……どうしようかしら? 右手が使えなくても左手は使えるし、魔法だって使える」
「どうします? 右手を撃たれたぐらいで、俺達にあの鍵を譲るか譲らないか」
リヴィがそう質問すると、一つの発砲音が部屋に響いた。
「私のことを忘れていない、よね?」
リヴィは自分の長袖を見ると、小さい穴が開いていた。
ノタのガードマンが発砲した銃弾は、リヴィの長袖を貫通して壁に当たっていた。
「体に当たらなくて良かったです。最初から腕すれすれに撃つ、つもりでしたか?」
「そうだよ」
「本当だったらあなたも相変わらず、命中率落ちていないですね」
「どうも」
ノタのガードマンはそう答えると、続けて小さくははっと笑った。
「どうしてほしい、二人のお嬢さん?」
「雷の鍵を貰う許可が欲しいです」
苦痛でしゃがんでいたノタが、二人を見上げながら質問した答えにスノフォは即答した。
「あはっ……そろそろ、あなたにかけた魔法が解除されるかもね」
「そうだといいですね」
「そうね」
ノタは相槌を打ってから、ヒドウを見て言う。
「あなたは剣を持っても、人を刺す勇気は無いのね」
「……」
ヒドウは床に向けていた剣の刃をノタに向けた。
「……自分が生まれた場所は、人殺しは犯罪なんです」
「へぇ、でもここら辺りだって犯罪になって警察に捕まるわ。正当防衛なら無実だけど」
「ウチが生まれた場所はどんな理由でも有罪です。大きな怪我をさせただけでも捕まります」
「だから剣を持っても使えないのね。モンスター相手、だったら剣を使える?」
「……多分」
「そう、モンスター相手なら警察に捕まらないから安心しなさい。で、剣を私に向けているあなたは私を刺せないのね? 血を見るのが怖くて」
ヒドウは笑った。
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